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どれくらいたっただろう。
やっとおばちゃんのお家に着いたみたい。
車のドアを開けてくれたので、ボクは勢いよく飛び降りた。
おばちゃんは大声でおじちゃんとお姉ちゃんを呼んで、ボクを紹介していた。
「わあっ、びっくりした!
今日連れて帰ってくるて思えへんかったわ。
きれいな子やね。
可愛い顔してる。」

へへっ。
なんかみんなボクを褒めてくれてるみたい。
うれしいなぁ。


おばちゃんは門を開けてボクを中に入れてくれた。
おばちゃんのお家は広いお庭があった。
ボクはリードをはずしてもらって、あちこちマーキングしてまわった。

マーキング


さあ、お家の中はどんな感じかな?
玄関のドアが開いたから、さっそくお家に入った。
「こらこら、ちょっと待ち!」
ボクは不意に首輪をつかまれた。
「???」
こんなこと初めてだった。
「家に入ったらあかんやん。」
「??? おばちゃん、何言ってるん。」
ボクお家に入りたいんだよ。
今までだってずっとお家の中で暮らしてたんだから。
マナーだって完璧なんだよ。


でも、おばちゃんはお家には入れてくれなかった。
「うちの子になったら、今日からはお庭で暮らすんやよ。
すぐに慣れるからね。」


ええっ!!
そんな話聞いてない!
庭で暮らすって・・・
ボク2,3日お泊りに来ただけじゃないの?
今日からうちの子って・・・
そんなバカな!!

ボクは頭の中が真っ白になった。


落ち着け。
落ち着いて、もう一度考えてみよう。
そういえば、おばちゃんは一度もボクの名前を呼んでくれてない。
ボクの名前、知らないの?

ボクはだんだん不安になってきた。
ボクこれからどうなるの。
知らない人たち、知らない場所。
雨はまだしょぼしょぼ降っていた。

でもどう考えてもなるようにしかならない。
ポジティブ志向のボクはとりあえずおばちゃん家の庭を探検することにした。
おばちゃん家の庭はいろんなお花が咲いてるんだ。
探検

ボクより背の高いお花もいっぱいあって、かくれんぼにちょうどいいや。
クンクン匂いをかいで、ついでにボクの匂いも付けとこっと。


しばらくするとおじちゃんとおばちゃんが一緒に出てきた。
あっ、いつものリードを持ってる。
散歩だ!!
やった~~~!
ボク、散歩が大好きなんだ。
雨もやんだみたいだし、一緒に出かけ見よう。

雨上がり


その時「りんたろう」って言葉が聞こえた。
「りんたろう」ってなんだろう?
ボクに言ってるみたいだけど、
ボクの名前はそんなんじゃないよ。


「りんたろう」 「りんたろう」 「りんたろう」
おばちゃんもおじちゃんも、お姉ちゃんもお兄ちゃんもボクの方を見て「りんたろう」って呼んでる。
へんなの。
ちゃんとボクの名前を呼んでくれないなんて、
もしかしてみんな知らないのかなぁ。
ママちゃんに教えてもらわなかったのかなぁ。
ボクは「りんたろう」って呼ばれても知らん顔をすることにした。


次回に続く

使用している写真は2年前のものだよ。
ねっ、若いでしょ(^_-)-☆
2008.08.17 / Top↑
ピカッ!!
ゴロゴロゴロゴロ!!
ものすごい音で雷が鳴ってる。
ボクの大嫌いな雨が、下から降ってくるんじゃないかと思うくらい地面をたたきつけるように振ってる。
こんな時はお部屋の中でじっとしてるのが一番いいんだ。
ほら、妹分のミミとちび丸も怖くって震えてるでしょ。

あれっ?
ママちゃん、なんで散歩の用意をしてるの?
こんなお天気の日は、ボクお外に行きたくないんだけどなぁ。
ねえ、なんでボクだけなの?
ミミとちび丸は一緒に行かないの?

パパさん、どうしてそんな目でボクを見るの?

こんなに雨が降ってるじゃないか。
雷も!
あほら、また光った。
嫌だよ嫌だよ!!


夏の暑い日だった。
お昼過ぎ、気がついたらお空は真黒になり、大粒の雨がいっぱいいっぱい落ちてきた。
そんな中、ボクはママちゃんに連れられて近くの博物館の駐車場に歩いて行った。
いつもは陽気なママちゃんなのに、この日はなぜかひどく辛そうな顔をしてた。
ボクに話しかけてくれる言葉も、「ごめんね」なんだ。
ママちゃん、なにか悪いことしたの?
ボクはママちゃんの顔を見ながら、とっても悲しくなっていた。

駐車場についてもまだ雨は降っていた。
でも、屋根のあるところで雨宿りしたから濡れる心配はなかった。


ママちゃんは携帯電話で誰かとお話ししていた。
「もうちょっと待とうね。」って、
いったい誰を待つの?


しばらくしたら一台の車がやってきた。
そして、ボクの知らないおばちゃんとお兄ちゃんが下りてきた。
二人ともニコニコしてボク達の方へやってきた。
なんだか優しそうな感じの人だなぁ。
ボクはあいさつ代わりにおばちゃんの白いコットンパンツにワンコ印の足形をつけてやった。

おばちゃんはちょっとびっくりしてたけど、
「いいよ。」って言ってくれた。
あれ?怒らないのかな?
じゃあ、今度はお兄ちゃんのジーンズにワンコ印をつけてやれ!!
へんなの。
お兄ちゃんも驚きながら笑ってる。


ママちゃんとおばちゃんはボクの方を見て何かお話をしていた。
そしてママちゃんは紙袋に入ってるいろんなものを説明しながら、ボクの事を話した。
おばちゃんはびっくりしたみたいだったけど、嬉しそうな顔でボクの方を見つめてた。

ボクはいつもみたいにママちゃんがボクの自慢をしてると思ってた。
でも、何かちょっと違う感じもしたんだ。

しばらくして、ママちゃんとおばちゃんのお話は終わったみたい。
さあ、帰ろう!

あれ?
ママちゃん、なんでボクのリードをおばちゃんに渡してるの?
どこに行くの?
ボクも一緒に帰るんでしょ!!

どんどん離れていくママちゃん。
なんで? なんで! なんで!!


おばちゃんはママちゃんが見えなくなるまでボクの横に立っていた。
そして、お兄ちゃんと顔を見合せて
「さあ、一緒に行こうね。」
って、車のドアを開けた。

なんだかよくわからないけど、この車でどこかに行くみたい。
きっとママちゃんは用事があって、このおばちゃんにボクを預けたんだ。
ボクは勢いよくおばちゃんの車に飛び乗った。


車の中ではおばちゃんとお兄ちゃんがいろいろお話をしてた。

「まさか今日連れて帰るって思えへんかったね。
まだ準備できてないけど、どうしようか。」
「お父さんもお姉ちゃんもきっとびっくりするやろね」
なんてことをいってたっけ。
ちょっとお泊りに行くだけなのに、大袈裟だなあって思ったけど、
ボクはおとなしく車に乗っていた。


次回に続く。
2008.08.16 / Top↑