こうして、ボクはいつの間にか母さんちの子になっていた。
今では「お庭番」って立派な?肩書きまでもらって、しっかりお留守番もできるんだ。
って、ここだけの話、ほんとはほとんどゆったりまったりくつろいでるんだけどね。

えへへ


ボクは2歳7か月の時に母さんちの子になった。
母さんはあまりボクを甘やかさないし、特別なことなんて ほとんど たまにしかない。
しょっちゅう遊んでくれたり、これでもかってくらいかまってくれたりするわけじゃない。
でも、なんでだろう。
ボクはこのゆる~~~い生活が結構気に入ってるんだ。


お庭番


お・し・ま・い(=^・^=)
写真は当時のものです。



こうしてりんたろうは我が家に無事ソフトランディングできました。
でも、この文はりんたろうの言葉を借りて私の気持ちを書いたもので、りんたろうの本当の気持ちはわかりません。
室内犬から庭飼い犬へと環境が激変し、本来なら感じることのなかったストレスもいっぱいあったでしょう。

幸いりんたろうは性格が穏やかで順応性が高かったため、大きなトラブルもなく我が家の家族として溶け込めましたが、今までとっても可愛がられていたはずの子がほんとうにこんな飼い方でいいのかと、私も何度も考えました。

犬にとって一番の幸せは、最初に出会った家族のもとでいっぱい愛情を受け、一生を終えることではないでしょうか。

それに、里子に出されたすべての犬が里親さんに引き取られ第2の犬生を歩めるとは限っていません。
昨日まで信じていた家族に突然見放され、引き取り手もなく捨てられたり、処分されていく犬たちもたくさんいます。
犬にも命があります。心があるのです。
たった10数年しか生きられないんです。
大きくなったから、可愛くなくなったから、年をとったから、病気になったから、流行じゃなくなったからといって、犬たちを見捨てないでください。

犬たちが最後に目を閉じるとき、その目にうつるのがその子の家族であることを心から願います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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2008.08.22 / Top↑
前のお家にいたとき、ボクはお家の中で寝ていた。
でも、母さんちではボクはお庭で寝なきゃいけないんだ。
ボクが初めて来た日、お庭には古臭くて小さい小さいお家が置かれていた。
ボクはちょっと匂いを嗅いでみたけど入ろうとは思わなかった。
だって、他の犬の匂いがするような気がしたんだ。
そのお家はボクが来る前に死んじゃったロッキーって言う名前の犬のお家だったんだって。

父さんはボクのために新しいお家を買ってくれた。
夏は暖房、冬は冷房完備のオープンドア・ワンルーム新築木造一戸建て。
でも、ボクはこの新しいお家にも入らなかった。
だってボク、このお家がボクのだってわからなかったんだ。

犬小屋


母さんはこの小さなお家の中にボールやおもちゃを入れたり、美味しいおやつを入れたりしてボクを誘ったけど、
ボクはぐぐ~~~っと首をのばして、おもちゃやおやつだけを取り出した。
だって、ネズミ捕りみたいに一度入ったら二度と出られないなんてなったら困るじゃないか。
それに、ここはやっぱりボクの寝る場所じゃないもんね。

じゃ、どこで寝てたかって言うと
玄関ポーチやリビング横の縁台の上、勝手口のたたきの上。
夏だったし、慣れてくるとお外で寝るのもそれほどつらくなかったよ。
母さんはそれじゃまるで野良犬みたいだから、犬小屋って名前の小さな家で寝なさいって言うんだけど、
ボクはその日の気分で好きな所で寝ることにしたんだ。

休憩


でも、秋になってだんだん寒くなってきたらそうも言ってられない。
そんなとき母さんが、ふかふかのお布団と毛布を犬小屋に入れてくれた。
お布団だ!!
ボクは嬉しくなって犬小屋に飛び込んだ。
ああっ、暖かい!!
それにこのお家、今まで気付かなかったけどなんだかいい感じじゃないか。
その時からボクはこのお家が気に入ったんだ。

おやすみ

まっ、それも寒い間だけで、今でも夏は涼しい場所がボクの寝床なんだけどね。

寝ます


次回に続く。
写真は当時のものです。
2008.08.21 / Top↑
ボクは母さんちがなんとなく気に入ってきてた。
解放感っていうのか、お庭の生活に慣れてきたからかなぁ。
でも、なんか無性にボク一人で外に出てみたかった。
そして、そのチャンスは間もなくやってきた。

おばあちゃんが入ってきたちょっとした隙をついて、ボクは脱出に成功したんだ。
「りんたろうが逃げた!!」
後ろでおばあちゃんの叫ぶ声が聞こえてた。
振り返るとみんなボクの方を見て
「逃げた!!」って言ってたっけ。
でもボクは逃げたわけじゃなかったんだ。
だから、少し歩いては振り返り、少し進んでは振り返った。
誰かが追いかけてくるのを待ってたんだ。

追いかけてきたのは母さんだった。
でも、母さんは走るんじゃなくてゆっくりボクの方に近づいてきた。
ボクがちょっと小走りになっても、ゆっくり歩いてるんだ。
チェッ。
走ってくれたらボクも走るんだけどなぁ。
母さんがあんまりゆっくり歩いて来るもんだから、ボクはちょっと油断してしまった。
そして草むらでクンクンしてたら捕まっちゃったんだ。
あ~あ。。
もうちょっと遊びたかったのに。
残念・・・

追いかけっこ



それからも何度か脱走ごっこをしてみた。
みんなボクが出ていかないように警戒してたけど、
ちょっと油断したときにスルッと脇をすり抜けるんだ。
でも、ダッシュで走ってなんか行かないよ。
これは遊びだからね。
ボクが本気だして逃げだしたらつかまりっこないけど、
母さん達はすぐにボクを捕まえることができた。
母さん達はボクを追いかけまわさないからボクも走って逃げることができなかったんだ。

そのかわり、庭では思いっきりボクを追いかけまわして遊んでくれた。
ボクはこっちの方が面白くなって、もう脱出することはなくなった。

ジャンプ



次回に続く。
この写真は当時のものです。

兄ちゃん、若いなぁ(=^・^=)
2008.08.20 / Top↑
母さんのお庭ではボクは自由にしていてよかった。
鎖に繋がれたのは初めて来た日の数時間だけ。
後は首輪はしてるけど繋がれてはいない。
母さんは門も裏口もちゃんと鍵をかけて、ボクが勝手に門を開けて外に出ないように気をつけていたけどね。
自由度はかなり高いって言うか、家に入れない以外ほぼ100%自由だった。
ボクのこと信用してるのか、ただの放任主義なのか。
ボクはしばらく新しい家族を観察することにした。

ごろん



母さんの家に来てから4日目。
昨日と同じように朝早く散歩に行ってご飯を食べた。
そして、さあ今日は何をして遊ぼうかなって思ってた頃信じられないことが起こった。
父さんと、姉ちゃん兄ちゃんはお仕事や学校に行くのは知ってたけど、
母さんまでお着替えして
「りんたろうしっかりお留守番しててね。いってきま~す!」だって???

うっそ~!!
信じられない!!
昨日までお家にいたじゃない。
ボクと遊んでくれたやん!!
なのに、突然一人なんて。
しかも、留守番っていったい・・・


ボク、この家にきてまだ4日目なんですけど!
それに、もしかしたら逃げ出すんじゃないかって思わないわけ???
これって、放任主義を通り越して、能天気または無責任って言うんと違う?

そりゃ!


ボクはあっけにとられて母さんの後姿を見送っていた。


その日一日どうやって過ごしたんだそう。
今さら思い出せないけど、みんなが帰ってきたとき、嬉しくてしっぽを振って門のところでお出迎えしたのは覚えてる。
みんなボクの頭をなでてくれて「ただいま~。いい子にしててえらかったね!」って言ってくれた。
みんなが帰ってきてくれて、ボクほんとにうれしかった。

でもさ、初めてのお留守番で庭とはいえ、一人っきりで野放し状態なんて、
これってある意味すごい賭けだと思うんだ。
だって、この時ボクはまだ心の底から母さんちの子になるって決めてなかったんだもの。
もしかしたら、ママちゃんが迎えに来てくれるかもしれないし、
脱走なんてスリリングなことするかもしれないじゃないか。
母さんだって、まさか絶対逃げ出さないなんて、ボクのこと信じてたわけじゃないと思うんだ。
門のカギはしっかりかけてたもの。
じゃあどうして?
考えても考えてもわからないけど、
とにかくボクは誰もいないときには脱走しなかった。

そう、誰もいない時には。



次回に続く。
写真は当時のものです。
2008.08.19 / Top↑
お家の中は明るいのに、お庭はもう真っ暗だ。

ボク、どこで眠ればいいんだろう。
お庭に小さな小さな小屋があるけど、なんか別の犬のにおいがするし、
だいたい、ボクのベッドがないじゃないか。
まさか、ほんとにこのままおばちゃんのお家に入れてくれないつもり?
みんなかわるがわるボクの様子を見に来てくれるけど、
お家に入っていいよって誰も言ってくれない・・・
夜

うっそ~~~!!
お家の電気も消えて、真っ暗じゃないか。
ボク、ボク、ほんとのお家に帰りたい!!


ボクは寂しくって、怖くって、なかなか寝付けなかった。
そして夜中にあんまり寂しくなってキュンキュン泣き出してしまった。
ママちゃん、早く迎えに来てよ。
ボクさみしいよ~~
夜。。


その時玄関の明かりがついて、おばちゃんが出てきた。
そして、ふわっとボクの頭をなでてくれた。
「さみしいの? かわいそうに。」って、ボクを抱きしめ、何度も優しくなでてくれた。
ボクはなんだか安心していつの間にか眠ってしまった。


次の日、ボクはママちゃんを待った。
今日は迎えに来てくれるはずだ。
初めて家の外で眠ったぼくは寝不足気味だったけど、お日様がのぼると同時に目が覚めて、
ママちゃんが来るのを首を長くして待った。
お散歩に行っても、ボール遊びをしても、おやつをもらっても
ボクはママちゃんが迎えに来てくれるのを待った。

ボール


夜になった。
ママちゃんは今日も来てくれなかった。
何か用事があったんだ。
ママちゃんがボクの事を忘れるはずないもん。
悲しくて寂しい夜、ボクはまたお外で眠った。
でも、やっぱりママちゃんのことを考えるとぐっすり眠れない。
夜中にまたキュンキュン泣き出してしまった。

この時もおばちゃんはすぐに来てくれた。
そして昨日と同じようにやさしくボクに話しかけ、そして体をなでてくれた。
ボクとおばちゃんはしばらくお外で一緒にいた。


次の日もボクはママちゃんを待った。
みんな遊んでくれるし、お散歩だって一緒に行くんだ。
でも、ボクはやっぱりママちゃんがいいんだ。
早くお家に帰って、お部屋の中でゴロゴロしたいよ。
ママちゃんが迎えに来てくれたらいっぱい甘えるんだ。



夜になってもママちゃんは迎えに来てくれなかった。
なんで、なんで、なんで・・・
ボクのこと嫌いになっちゃったの?
ボク、ママちゃんに捨てられたの?
夜中、やっぱりボクは寂しくって泣いてしまった。
おばちゃんはこの日もすぐに来てくれた。
そして「りんたろうはもううちの子なんだからね。
いつまでも泣いたらあかんよ。」って言った。
「りんたろう」ってボクのことなんだ。
ママちゃんはもうボクを迎えに来ないんだ。
ボクはおばちゃんちの子になったんだ。

ボクはその時ハッキリわかった。
泣いたってママちゃんは迎えになんか来ないって。


次の日からおばちゃんはボクの母さんになった。
おじちゃんはボクの父さん。
そして姉ちゃんと兄ちゃんができた。
ボクはもう夜中に泣かなくなった。
そしてボクの名前は「りんたろう」になった。


次回に続く
写真は当時のものです。

2008.08.18 / Top↑